絵コンテ 黒澤雅之、有江勇樹
演出 黒川智之
作画監督 竹上貴雄
「アナタがくるのを、ずっと待っていました。長い長い間、ずうっと」
この国には魔法を使うものはいない。かつてはいたようだが。
とすれば、不思議な力を持った者がサクラをさらった可能性はゼロと結論付けるファイ。
自警団長は夜通し降った雪で足跡が消えて、手がかりなしと報告。
仲間が消えたのにどうして冷静なんだと怒り出す団長。
黒鋼は、小狼についてそう言うのならお前の目はfusianaだと断ずる。
目覚めたサクラ。城の牢の中?エメロード姫の像と町の子どもたちを見つける。
ショックを受けた子どもたちに往診に行くカイル。
ファイが唐突にグロサム話。町の土地のほとんどは大地主のグロサムのもの。
だけど、近年凶作続きで土地代の支払いは待ってもらっている。
「払えないのなら、町から出て行け」とまで言ってるグロサム。
滞納のせいで生活苦しいらしい。
「ここだけの話、」とグロサムにはよくない噂があると言い出すカイル。
その噂とは、伝説に登場するサクラの羽根を狙っているというもの。(よくない噂かこれ?)
自分で言い出したことを自分で否定して往診に出かける。
よくない噂と昨日の城を見つめていたグロサムを考え合わせると「犯人はグロサムさんで決まり!」とモコナ。
良識人小狼が口を開く。
「決め付けるのはよくない」「真実は、たくさんの事実を集めて、わかるものだから」
子どもたちのために急ごうと、鎖をほどこうと格闘するサクラ。
グロサムさんを尋ねるもお留守。モコナの「いらっしゃいまほー」で不法侵入。
例の108つの技の一つ、「超・忍び込み」
小狼はカイルも持っていたこの国の歴史書を見つける。
モコナが見つけたのは城の地図と城の周りの地図。グロサム帰宅。
「事件の手がかりを求めて、勝手にお邪魔しました」いやいや、やばいだろこれは。
「そうか。で、私の疑いは晴れたのか?」寛大すぎ。
「オレは誰のことも疑っていません。ただ、事実を集めています」
偏見を捨てて事実と向き合うことで真実が見えてくる、小狼の義父・藤隆の言。
小狼を見ていると自分の若い頃を思い出すというグロサム。
かつてこの地方の者たちは沈黙を美徳とし、肝心なことは言葉にせず、胸にしまっていた。
大昔、幸福にまつわる言葉を「忌み言葉」としていた風習の名残だという。
幸せな出来事は言葉や文字にすることで幸福が逃げてしまう、そう考えたらしい。
このことを念頭において読め、と歴史書を貸してくれるグロサム。
帰り道、ファイはグロサム犯人説を撤回する。
黒鋼が机の上からパクってきたのは失踪した子どものリスト。
平気そうな顔してる小狼もサクラが心配だと見抜くファイ。
まだ出られないサクラ。ヘコむ自分を励ます。
「あきらめちゃダメ!子どもたちが待ってるんだから」
サクラを見つめるエメロード像。
アイキャッチ:黒鋼
グロサムの歴史書がカイルのものよりページが多いと気づく小狼。
「黒い鳥」と指差す子ども。その先には何もない。
「こっちへおいで」とその子を連れていくカイル。睨む小狼。
怪我した手をカイルに治療してもらう小狼。
小狼はカイルに子どもたちが居なくなったのはグロサムのせいかも、と伝え、夜張り込む。
雪夜。外を歩くローブの人物に気がつくカイル。
城の水門を調べるファイと黒鋼。鍵なしだけど怪力で歯車を動かす黒りん。
ひもをひっかけて牢を開けたサクラ。
サクラの羽根を囲む子どもたち。エメロードがサクラの前に姿を現す。
「アナタが来るのを、待っていました」この最果ての地で300年の間待っていた。
300年前。羽根の力を巡って起きた争いに巻き込まれ、父王と母后は命を落とす。
そんな醜い争いをした人々に天罰が下る。城下に子どもだけがかかる流行り病が蔓延した。
羽根の近くにいるとその病気にかからないと知った姫は、町の子どもたちを城に集めた。
エメロードは元気になった子どもたちを町へと返した後、二度と争いが起きぬよう、魔法でこの羽根を封印した。
「子どもたちはいなくなった時と同じ姿で帰ってこなかった」という記述も忌み言葉のせい。
しかし、今回子どもを集めたのは別人。羽根の力に魅入られた心悪しき者。
その行いを阻もうと、夜ごと町へ姿を現してた姫。
でも、すでに死んでいる彼女には何もできなかった。
それでも、サクラは姫を見てここまで来た。
そして、サクラは子供たちを想う優しさを持っている。
羽根を取り戻すのに必要なのは、子供たちの純粋な心。サクラもその祈りの輪に加わる。
氷の柱から降りてくる羽根。サクラはそれを強く抱きしめる。
城の前に立つコートの男。その正体は…カイル。
川の流れが勝手に止まってるのに驚いた様子。
「全ての事件の黒幕はアナタですね、カイル先生」真実を見つけた小狼がカイルと対峙する。
「子供たちと、サクラの居場所を教えてください」
次回、解答編。
関連
ツバサ・クロニクル 第13話「まぼろしのオトギ」
ツバサ・クロニクル 第15話「信じるココロ」
@ツバサ・クロニクル
収録巻:DVD第4巻(第11話〜第14話収録)
原作の4巻のp174〜p1186と5巻のp3〜p27を大幅アレンジ。
忌み言葉の概念、不法侵入や羽根を巡るバトルはアニメオリジナル。
はっきり言ってここらへんのアレンジはアニメの方がよくできてる。
だって、漫画版は「いなくなったときと同じ姿で戻ってこなかった」=「(家出したときは病気だったけど)元気になって親元へ帰った」っていうただのつまらない話だったから。
グロサム、怪しいと言えるほど出番ないから。正直推理以前の問題。
この世界では不法侵入は罪ではないのか?共同社会万歳?(でも小狼は他所者だけど)