絵コンテ 出崎統
監督補 矢野篤
演出 熨斗谷充孝
作画監督 小林ゆかり
短い夏は、あっという間に通り過ぎた。
時々冷たい風が吹くようになって、私たちは北へ向かう足を少し速めた。
だがそれは、私の大きな間違いだった。
ゲルダにとってこの長い旅が、どれほど過酷なものか、ということをつい忘れていたのだ。
……ゲルダが熱を出し、倒れた。
水を汲んで、冷たいタオルをゲルダの額に乗せるラギ。
「ラギさんはもうよそう。ラギでいい」なんかフラグキタワァ━━(n‘∀‘)η━━!!!!
同じ道を歩いた仲間同士。ホルガー、アモールも含めて。
私は焦っていた。(←だからゲルダに手を出したのか! 違)
ゲルダの熱が、いっこうに下がる様子がないのが。
近くに村はなく、医者はおろか、薬など手に入れようもない。
軍隊時代の体験が、こういうときは役に立つ。
熱を下げる薬草が、遠征中に病になった部下のために、何度か探しに出たことがある。
でも実際取るのはパシリのアモール。
熱にうなされて、おばあちゃんのことを思い出すゲルダ。
うわぁ…
ゲルダは感謝の気持ちからホルガー伝説の話を始める。
男らしくて勇敢で優しい、伝説の巨人・ホルガー。彼の名前をとってつけた。
普段は世界の下で支えているけれど、ピンチの時には必ず現れてみんなを守る正義の英雄。
「ホルガー、素敵な名前でしょ?私に感謝しなさい、なんて」ゲルダ…、かわいい子!
ラギのもってきた薬草スープはやっぱり苦く、ゲルダはむせる。
「ついでに山菜も沢山取ってきた。特製山菜スープのできあがり!」なんかノリが違うな。
ホルガー(狼)はホルガー(巨人)のようだと話すゲルダ。
たしかにいつもは静かだけど、ピンチのときは大活躍、実際何度も助けられてる。
でもそれはラギも同じ、と言い出すゲルダ。アツいねお二人さん。
そうはいかない(ゲルダを助けられない)ことだってある、と水を差すラギ。
そんなときは、自分でなんとかすると答えるゲルダ。「旅は生きることだ」(Byラギ)
すっかり上機嫌のラギはホルガー伝説の曲を披露する。
♪北の大地に 雲の流れに似た人がいると言う
♪ホルガー 見た人は皆 それを英雄ホルガーと言う
♪さあ ではホルガーのことを一つだけ話そう
♪北の大地の戦いで 敵の勢いものすごく
♪誰もが負けと言うときに 一人の男が飛び出した
♪飛び来る弾丸を跳ね返し 一人堂々敵陣へ
♪味方もこれに勇気を得 後に続いて勝ち戦
♪さて気がつくとその男 いつの間にやら姿消し
♪どこの誰やらわからない 誰言うとなく声が出る
♪ホルガー 今のはきっとホルガーだ
♪姿を変えたホルガーが こうして一つ また一つ
♪ホルガーは生まれる ホルガー伝説は蘇る
♪人に勇気がある限り 人に希望がある限り
一方女王の城では女王が「お怒りカンカンカンカンの助」
愛しのカイきゅんに手を出す風の化身改め愚か者(声:明夫)に既視感のある対空砲で一斉射撃。
ひとまず退く愚か者。
で、ここで赤トロルの丸秘情報。女王には昔、恋人がいたらしい。
それを聞いて石化する青トロル。なぜか赤トロルまで石に。
明け方から、激しい雨が降り続いている。
ゲルダの熱は下がらなかった。
――他の薬草を探しに行くしかないな…!
雨の中、一人探しに出るラギ。
私も少し、熱があるようだ。
青トロル頓死。女王は、雪の女王となってもう千年は経っているという。
その女王のお相手は、北の大地の守り神・ホルガー。(トロール族長老筋←疑う余地なし)
それは百年前のこと。そのときにも雪の女王は愚か者と戦っていた。
劣勢の女王勢の下へ駆けつけたのがホルガー。(声:立木)
核爆発とともに消えたホルガー。以後彼を見たものはいない。
火の弾丸を胸に受けて死んだ、あるいはまた地の底へ戻った…。
諸説入り乱れるが、女王の恋だけは事実として残った。
たった一度の出会いで女王の心をつかんだホルガー。恐ろしい男…!
今でも雪を降らせに行くときに、ホルガーの姿を探していると言う。
ところで、パズル職人カイはコツをつかんだらしく、鏡の修復作業がはかどっている。
百年前の話だから大丈夫、と脳内補正をかける青トロル。赤は百年の重みをむしろ重視する。
さてさてラギはというと、熱で朦朧とした意識のまま歩いたために、崖から転落。
熱はかなり出ているようで、視界も怪しかった。その上、雨だ。
そして雪の女王との因縁を思い出す。
私は、あの時見た。
吹雪の中、部下が次々に死んで行くときに、白い光を見た。
私の人生を、変えた光だ。
「お願いです!私の部下たちが死にかけている。どうか助けてください!南の谷に、本隊がいるはずです。そこに知らせて、救助隊をすぐに!」
ラギ若い!でもつれなく去る女王。
「ああ待て!待ってくれ!部下を助けてくれ!見殺しにしないでくれ!」
そしていつの間にか、私は洞窟の中。私だけが助かり、部下たちは全員死んだ。
ラギの目の前に部下たちとヴィロムが現れる。「隊長は、隊長の人生を生きてください」
「ありがたいが、とてもうれしいが、これが私の生き方なんだ!これが私の…!」
不器用男ラギ、いいなあ。
翌朝。ゲルダは帰ってこないラギを探そうとするが、靴を履こうとしてミスる。
ホルガーにラギとの出会いを語るゲルダ。
カイの葬式の後、似顔絵と力強い言葉をもらったこと。
「信じていれば、いつか真実は見えてくる」
ラギの元へ駆けて行くホルガー。ラギは薬草を手に、力ない足取りで戻って行く。
泣きながらラギに抱きつくゲルダ。あまーーい!
「弱虫の出迎えはもうたくさんだ。熱のある奴はさっさとベッドへ帰るんだ」
と言った矢先、ラギが倒れる。
再び雪の女王との出会いの回想。今度は銃を向けてるラギ。
「待て、待ってください!あなたは誰だ、誰なんだ。このような真冬の雪山にただ一人!」
オーロラを見せられ、膝をつくラギ。
「恐れを知らぬものは愚かです。吹雪は吹雪。吹きすさぶのは、冬の姿」
「待ってくれ。それではせめて、馬を貸してくれ!私の馬は死んだ。その馬をお借りできれば…。部下を救いたい!一人でも二人でも。私の命と引き換えてでも!」
「己が命と引き換えてでも?ホルガー殿でもあるまいに」
そう言って馬から下りる女王。
一方現代。大鏡から、倒れたラギを覗く女王。
今度はゲルダがラギを看病。「キモチイイですか?」(誤解を招く表現)
私がやらないと、ってときは元気が出るゲルダ。そうか、今までのは仮びょ(黙れ
驚いたことに、ゲルダは本当にそれきり熱が下がり、私を安心させてくれた。
「信じていれば、いつか真実は見えてくる」前に私は、ゲルダにそう言った。
恥ずかしいが、あの言葉は本当は、自分のために言ったのだ。
いつか真実を見たい、未だに真実を見ることのできない自分がもどかしく、そう言ったのだ。
私は真実を、いつか見られるのだろうか?
大丈夫。今夜はよく眠れそうだ。この分だと、明日の朝、私はまた旅立てる。
関連
雪の女王〜The Snow Queen〜 第25話「王家の鍵」
雪の女王〜The Snow Queen〜 第27話「大氷河の危機」
@雪の女王
ラギとホルガーが似てるから、ラギが銃弾を筋肉で跳ね返したのかと思ってしまった。
実際のホルガー・ダンスク像はヒゲのお爺さんらしいけどそこはご愛嬌。
ラギがホルガーに似てたから殺さなかった女王、それを気に病んで女王に問いただそうと旅を続けるラギ。
物語的には一気に進んだ感がありますな。もちろん二人のフラグも。
最近、ますます、バトル・アニメの様相を呈してきた、「雪の女王」。ゲルダの戦闘能力は、フリーダム並みの機動力であります。
一方、ゲルダが良く泣くようになりました。
話はまだ半分。しかし、人間界の話は終わりのようで、全面的にファンタジーの世界に入ります。
・山猫さん:14話ではアヒルにクラブ・クラッチ(いわゆる蟹バサミ)まで決めているので、ゲルダには格闘技の才能が相当あると思います。あとはM字開脚のみ(<まて)。
・雪の女王DVD買いました。カイ役の夏樹さんは少年役ばっかりの人だと思ってましたので、女性キャラを演じていることは正直知りませんでした。
ガタイがいいのでかなり重そうですよね>ホルガー
ゲルダの格闘能力の向上には目を見張るものがある、なんて。
>Y.S.NAVYさん
歌と言いつつ歌じゃないので(禁句)寝ちゃったんでしょうね。>ゲルダ
DVD、全7巻らしいですね。中身はシンプルで…もうちょっと設定とかほしかったなあとも。
16:9なのが楽しみです。
(買ったのにまだ見てない子です。ごめんなさい)